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賃貸住宅経営ポイント

最重要ポイント…これだけは知っておきたい基本中の基本

【1ニーズのない所ではやらない…ニーズがなければ入居者が入らず結局は行き詰まる
 “ここに住みたいと思っている人が多く存在している”と言う需要があることが賃貸住宅経営のポイントです。素人目に見ても一体こんなところに入居ニーズがあるのだろうか?と思われればそれが即ち一番正しい答えなのです。ハウスメーカー・アパートメーカー・マンション建設会社等にサブリース・家賃保証等があるので心配無用と説得されても需要がないことは不変です。あなたの判断の方が営業マンの説得より確かです。ニーズのない所にビジネスは成立せずと言うのが全ての分野での大原則です。
 
【2ニーズあっても供給過剰エリアは要注意…競合タイプ注意、非競合タイプ安全
 ニーズがあるところだとしても決して油断してはいけません。ニーズがしっかりあるところは昔からこぞって賃貸住宅経営をする人が多く現れます。見方を変えればニーズの高いところは供給過剰に陥り易いと言うことなのです…今まさに投資型1Kマンションが都会の駅近に集中して建設され異常な供給過剰状態(1K賃貸バブル)に陥っています。右を見ても左を見ても1K物件だらけ、若者人口が減少して行く将来を見据えると投資型1K以外の差別化物件を作って巻き込まれないようにしなくてはいけません。
 
【3競合多い量産型物件はやらない…過当競争時代に金太郎飴で生き残るのは厳しい
 昔、先祖の土地を守るため賃貸住宅経営を主にしていた頃は千差万別の物件で個性・地域性に富んでいました。しかしいつの頃からか賃貸住宅建設業者(ハウスメーカー・アパートメーカー・マンション建設会社等)がこの生業に参入し全国的に量産される時代となり、今や量産物件が圧倒的なシェアを奪っています…即ち同じようなものが全国的に一杯あるのです。この仲間に入れば後は立地・家賃だけの勝負となり供給過剰時代ではこれらの物件と一線を画す差別化をしなければ生き残りは難しいでしょう。
 
【4】サブリース・家賃保証等には頼らない…うまい話にはトリック・落とし穴が必ず潜む 
 今サブリース・家賃保証が改めて大きな社会問題になってきています。入居ニーズが全くない土地に強引に建てさせる方法として“サブリース・家賃保証があるから大丈夫”と言ってお客様を安心・油断させて契約を取る会社が後を絶ちません。もともと入居ニーズがないのですから順調に入居する筈もなく不安定な経営が続き、頼みの綱であるサブリース・家賃保証も曖昧にされとうとう行き詰まってしまう人が続発しているのです。各地で訴訟問題にまで発展してしまっているケースが多いのが実状です。
 
5】大きな会社には頼まない…高い間接経費・利益を工事費等事業費に含み収益性を圧迫
 大手企業は会社規模が大きいため間接経費も巨額で利益も多く必要です。またTV等の宣伝広告費も多くかけていますし契約を取り込むための開発営業経費もかさみます。これらのコストは決して泉から湧いてくるのではなくお客様が支払う事業費の中から捻出します。大手企業なら安心と思いがちですが結果的にオーナーの賃貸事業に全く関係ないこれらの高額なコストが含まれ高い事業費となり収益性を圧迫します。入ってくる収入は変わりませんのでその高額なコスト分だけ収益が悪化してしまいます。
 

核心1…賃貸住宅は分譲住宅よりシビア

 賃貸住宅(貸家・アパート・賃貸マンション)は分譲住宅(建売・分譲マンション)などと比べれば非常に難しいものがあります。分譲住宅はうまくお客さんに買わせてしまえばそれで全てよい訳です…即ちまんまと買わされてしまえばしまったと思っても後の祭りなのです。自己の所有物になってしまってはおいそれと元へ戻す訳には行かないのです。諦めてその住宅に住み続けることになるのです。それに比べて賃貸住宅は本当に質的な住み易さを追求してつくらねば大変なことが起きてしまいます。無知・未経験な部屋探しの人に対してデザイナーズ・流行り・こけおどしデザイン等で言葉巧みに誘導し賃貸契約に結び付けまんまと入居させたとしても実際に住んで見て居心地悪ければ分譲住宅と違いさっさと入居者は住み替えられるのです。ここに賃貸住宅づくりの最大の特徴があるのです。住む人を甘く見てどうせ賃貸住宅なんだからと舐めてかかると致命的な失敗につながる怖ろしさがあるのです。結局売ってしまえば後は野となれ山となれという分譲住宅と比べると賃貸住宅は現実に住んで見て納得して貰えることが必要不可欠なのです。この点で賃貸住宅づくりは極めてシビアに考える必要があるのです。

核心2…賃貸住宅経営は単なる錬金術ではない

 賃貸住宅経営は株式投資・投資信託・マネーゲーム等とはあきらかに違います。入居者が支払ってくれる家賃でオーナーの経営が成り立っています…昔風に言えば店子さん・大家さんの関係です。所有権等を売買してその利鞘を稼ぐと言った単なる金儲けと同じにはなりません。中には物件の売買で儲けようい言う人もいますが賃貸住宅経営と言うことからすれば本来的なあり方ではありません。賃貸住宅経営と言うからにはより良い賃貸住宅物件を所有管理し、満足して入居してもらえるように経営努力をすることに本来の意義があります。そう言う観点から見れば収益と言うことだけに着眼し投資の対象として賃貸住宅に群がって金儲けの餌食としか思わない(REIT/不動産投資信託や不動産投資)今の社会の風潮は如何なものかと思います。賃貸住宅経営と言うのは昔から持ち家を持たない人により良い住まいの場を提供すると言う社会性を帯びた事業なのです。賃貸住宅経営に様々な税制上・制度上の優遇措置があるのもこのことが背景にあるからだと察せられます。もともと賃貸住宅経営は主に地主さんが相続税・固定資産税対策でやっていたので今のような不動産投資でと言うのはあまり目立ちませんでした。

核心3…物件さえあれば誰でも参入できる事業

 賃貸住宅経営は建てられる土地を所有し、建設資金を用意(自己資金・借入金問わず)できる人であれば誰でも参入できます。また中古物件を購入することでも経営を始めることがいつでも誰でもできます。過熱景気のときは土地購入資金・建設資金の全てを借入して賃貸住宅経営に載り出した人もいました。また中古物件を土地・建物ごと購入する資金を全額借入した人もいました。しかし今は物件供給過剰時代で空室も多くそんなに家賃も吊り上げられません。このような全額借金のやり方ではなかなかうまく行かなくなり危険性が高いので銀行が全額融資してくれることも少なくなりました。競争時代に突入し全額他人のふんどしで相撲を取ることは非現実的になりました。土地はもともと所有していて、建設資金は一部自己資金を入れることができるくらいの人でないと健全な賃貸住宅経営は難しいと言っても過言ではありません。また中古物件購入で始めようとしてもある程度は自己資金を用意できなくては経営に不安があります。そして何よりも需要がある場所・需要のある物件であることが成功するための必要絶対条件となります。参入は誰でもできますが成功は誰でもできる訳ではないと言うことです

核心4…昔から競争相手がたくさんある

 賃貸住宅経営が誰でも参入できるビジネスと言うことは、裏返せば世の中に昔から賃貸住宅がたくさんあると言うことです。古くは長屋・下宿・借家に始まりアパート・賃貸マンション・分譲賃貸・社宅・寮等とにかく様々な種類のものが一杯あります。また戦後の住宅不足を補うために住宅都市整備公団・地方自治体等が積極的に公費を使って団地開発をして賃貸共同住宅を全国で大量供給をしていた時代もありました。築年数も新築あり中古ありと千差万別に存在しています。そのつくりも木造・軽鉄造・鉄骨造・RC造・SRC造等バラエティに富んでいます。賃貸住宅の経営に参入すればこれらの膨大な物件数の賃貸住宅の中で厳しい競争にさらされることになり、この中で順調な経営をして行かねばなりません。しかしオーナーになるためには資格試験があるとか、実務経験が必要であるとか適正試験があると言う訳では決してありません。チャンスがあれば老若男女いつでも誰でもオーナーになれるのです。即ち競争相手に負けないよう優良な賃貸住宅を所有しかつ相応な家賃設定をし適切な管理をきちんと行わなければ、他の良い物件に入居者を奪われたちどころに入居率は低下してしまうのです

核心5…修繕が必要であることを認識

 建物を所有しているとどうしても修繕は避けて通れません。共用部分のメンテナンス(照明器具光源の取替え・消防器具の点検/取替え・オートロックの点検・防犯カメラの点検・エレベーターの保守点検・樹木の手入れ・給水装置の保守点検・排水経路の点検・浄化槽の点検等)が日常的に必要です。退去時には住戸内のリフォームが個々に必要となります…汚れたクロスの張り替え・傷んだ内装材・住宅設備の修繕等。また設備は法定償却年数が15年になっていますが、現実には10~15年くらい(よく長く持っても20年くらい)で寿命がきます。寿命がくれば取替えが必要になりますし、それまでに不具合がでれば当然修理が必要になります。建物本体については木造アパートの建物の法定償却年数は22年・軽鉄アパートは鉄の厚みにより19年~27年と寿命が短かいです。実際にもRC造の建物より傷みが来るのが早くそれだけ修繕工事の頻度が高くなります。それに比べRC造の法定償却年数は47年ですからその寿命は長くよほどのことがない限り大きな修繕工事が必要となってくることはないと思います。ただしRC造だとクラックが入れば程度によりその都度対応が必要となります。共通事項として屋根等の防水保証年数は10年ですので10年以内のトラブルは施工者負担、10年越えのトラブルはオーナー負担で補修工事をします…当社では雨漏りトラブルを防ぐ為にこれまで陸屋根を避け原則勾配屋根を採用しています。 

核心6…事業内容に銀行融資が付けば賃貸経営は安心なのか

 建築工事費が高騰してから銀行でよく聞く話ですが相続税対策なら融資できますがそうではない一般のお客様には融資できないと言う話…これを客観的に理解すれば建築工事費高騰のため大手企業の表面利回りが5%を割り込み3~4%に至っているので事業自体がうまく行かなくなる(例え自己資金でやったとしても)ことを知っているからなのです。だから事業自体がダメでも返済に心配のない資産のある人にしか融資はしないと言う訳です…決して賃貸事業内容が健全だから融資OKではなく注意が必要です。
 しかし建築事業費の高い大手企業に依頼せず自身で競争見積りで工事価格を下げれば表面利回りが6~7%に上げられます。このレベルであれば空室・家賃下落リスクを見込んでも実質利回りがマイナスになることが回避できるので自己資金の持ち出しには至りません。そうなれば銀行融資が拒否された一般の人も融資可能領域に入ってくると思いますが、借金すれば元金・利息の返済が発生し実質利回りの低下となるので全額借入はせず年間収入/借入金の借入金利回りが9~10%くらいに留めるのが健全です。

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    昭和56年創業

 

有限会社久里屋設計

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