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賃貸住宅見晴台 表面利回り5%以下が持つ意味
2024-04-22
表面利回りとは年間収入(満室見込)÷初期投資費用のことです。昔はこの表面利回りが新築賃貸住宅で約10%(都会※名古屋市内)はありました。しかし度重なる建築基準法の改正・規制強化でコストが上昇しまた建築工事費の近年の高騰でその利回りがどんどん下がってきました。今大手企業の設計施工一括発注で賃貸住宅をつくると表面利回りが約3~4%(鉄筋コンクリート造・鉄骨造)と言われています。この表面利回りでは相続税対策目的の資産家には貸すが一般人には貸せないと銀行は言い切ります。
実際の利回りは収入がそっくり手元に入る訳ではなくそこから固定資産税・都市計画税・管理費・維持修繕費・火災保険料・税金などの諸経費を差し引かれ表面利回り約▲1~2%減の実質約2~3%弱の利回りとなります…これは自身の現金でやった場合です。しかし初期事業資金を殆ど借入金でやった場合はその元金・利息の返済が別に発生し表面利回りから約▲5%強となり実質利回りは約▲2~3%強まで低下します。これはどう言う意味かと言えば約▲2~3%強分自己資金が必要になると言うことです。
初期投資資金として自己資金を使い大手企業に委ねれば実質約2~3%強の実質利回りと辛うじてプラスになります。しかし無理な家賃設定をしていたり空室率の拡大があればたちまちマイナス利回りとなります。さらに相続税対策目的で多くを借入金でやればマイナス利回りが増幅し多額の自己資金持出しとなります。相続税対策でやるつもりが現実は財産を減らすことになってしまい本末転倒となるのです。また資産運用目的でこのレベルの中古賃貸住宅を買ったりすればやはり同様なことが言えます。
家賃下落・空室率拡大を予測すれば少なくとも賃貸住宅経営をする以上表面利回りを6%以上にする必要があります。そうすればマイナス利回りに陥ることが避けられます。そうするためには建築時に大手企業に設計施工一括発注せず設計監理と施工を切り離し競争入札で施工業者を決定することです。大手企業のマージンカットをすることで事業費を適正価格でできることとなり表面利回りが約3%上昇します。またこのレベルの表面利回りがあれば資産家でなくても一般の人にも銀行は融資をしてくれます。