ブログー2023年
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建築業界見晴台 この一年を振り返る
2023-12-31
今年も建築工事費が上がり続けRC造・S造は最も安いときの1.8~2.0倍くらいの高値で終わろうとしています(木造の高騰率はそこまでひどくありません)。昨年までは建築費高騰で受注に影響が出てきて建築業界が冷え込み流れが変わるかもと思われましたが意外にもそうはなりませんでした。今年も建設業従事者・下請け企業の減少傾向が変わらずまた設備投資・投資用不動産の需要が底堅かったため意外にも引き続き忙しさが続いています。しかしとうとう建築業界に変化の兆しが表れてきたようです。
ここへきて建築業界では久々に仕事減少の話が聞かれるようになりました。一般建築新築の引き合いがめっきり少なくなったと言う話が増えてきました。また住宅(建売・分譲マンション・注文共)の売行きも曇ってきました。極端に高騰した建築工事費に発注者・購買者が付いて行けないのでしょう。また中小の建築会社・工務店が新築工事の引き合いが減少し修繕工事・リフォーム工事で奔走しているという話もよく聞きます。仕事が減少してきたためやむなく投資用不動産の仕事に群がってもいます。
2024年4月から官庁工事は週休二日制が受注条件となり工期が延びて請負金額が増えることになります。民間工事も準ずれば同様な現象が起きます。国が闇雲に労働時間を抑圧すれば消費者目線では値上がり要因・労働者目線では収入減少となり景気にはマイナス影響。国民祝祭日(世界2位)・盆休み・正月休み・有給休暇等で元々休みの多い国なのに完全週休二日・週40時間労働・残業時間規制等で労働時間を強引に減らせば資源なき日本は既に低下顕著な国力を益々衰退させ自滅の道を辿るかも知れません。
2024年はこれらの状況から一般建築の減少による受注低迷が拡がり中小の建築業者がかなり苦境に陥る可能性があります。大手ゼネコンは官民の大型プロジェクトなどの仕事があるようですからさほど影響はないのかも知れません、しかし中小の建築業者は高騰建築工事費と施主の希望価格との極端な乖離による建築工事の冷え込みが続けば苦しくなるのは必然です。高騰建築工事費でも今は受注がある設備投資・投資不動産・営繕工事にもブレーキがかかればたちまち窮地に追い込まれることになります。