ブログー2022年
ブログ
アメリカで家賃規制広がる
2022-03-31
3月25日付けの日経新聞朝刊に全米で家賃上昇率に上限を設け規制する動きが広がっていると言う記事が載っていました。それによると住宅不足に伴い主要都市の家賃が前年比で10%超え上昇しており生活者が苦しんでいるからこの規制が導入されてきているそうです。1月の全米主要都市の家賃が平均1891ドルと前年同月比で15%上昇したとのこと。10%を超える上昇率が2021年9月以降続いているそうですから入居者にとっては大変。住宅を提供している家主側はこの規制に反対しているそうです。
新型コロナ感染拡大のため世界中で在宅リモートワークが広がりオフィス内で働く人の減少が拡大しオフィスの需要が縮んできました。連れて都市部の賃貸住宅の家賃上昇が抑制され、マイホーム取得のため住宅ローンの盛況が続き木材消費が増えていました。しかしアメリカでは新型コロナ新規感染者がこのところ減少してきているとのこと。次第に人々がオフィス勤務に戻り始め通常の経済活動になってきたのがこの家賃上昇の原因と見られています。つまり都市部に人が戻り始めていると言うことです
家賃規制(レントコントロール)とは賃貸住宅の借り手の保護を目的につくられたもの…家主が不当に家賃を上げられないように家賃上昇率に上限がかけられている制度で、州・市などがそれぞれ独自に制定しているそうです。築年数の古い物件に適用されることが多く対象とされる物件は限定されているので市場全体への波及効果はそれほどはなさそうです。これには立ち退きにも制限が加わるものもあるとのこと。借り手には実にありがたい制度ですが逆に家主さんにとっては大変厳しい制度と言えます。
ニューヨーク市では1974年以前に建てられた低所得者層向けまたは6戸以上の集合住宅が対象、上限は年により変動し2021年には1%台に制限されたことがある。カリフォルニア州は州全体で導入、他の州・市などでも新たに規制の拡大・導入を検討しているとのこと。一方家主側の全米集合住宅協議会(NMHC)の担当者は地域の住宅事情を改善するどころか住宅不足を悪化させる政策と言う…NMHC調査によると集合住宅を提供する企業の58%が家賃規制のある地域での住宅投資を減らすとの情報もある。