ブログー2022年
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内側から誰かが引っ張る?玄関ドア
2022-02-28
賃貸マンションに住んでいる人からよく聞く話ですが玄関ドアを外側から開けるとき重くて開かない時があるとか、誰も玄関内側にいる筈がないのにドアを誰かが引っ張っているのではないかと思えるときがあり気味が悪いとか言う話があります。これは超常現象が起きている訳でもなんでもありませんし中に幽霊でもいてドアを引っ張っている訳でも決してありませんしまたドアの建付け具合が悪い訳でもありません。住戸内空気と外部空気の気圧差によって起きている科学的な現象に過ぎないのです。
これは全く心配することではありません。原因がはっきりしているからです。鉄筋コンクリート造建築物はコンクリートの壁で囲まれていてそのコンクリート自体は空気が通らないのでもともと大変気密性が高くできているのです。コンクリート製外壁に開いている開口部にはアルミサッシや鋼製建具が入っています。アルミサッシが出始めた頃のものは今のような高い気密性がなく隙間だらけのものでしたので築年数の古い賃貸マンションでこのような玄関ドアが重いなどと言うようなことは起きません。
鉄骨造や木造と違って鉄筋コンクリート造は他の構造体でつくられているものより気密性がとても高くなっています。解決策は給気口の開閉装置を常に開放する・差圧式レジスターを付ける等するのがよいと思います。一番強烈にドアが開かないときは台所のレンジフードを強で運転しているときで、また換気扇が回っていればそれも影響します。原則24時間換気装置が常時運転されていますので常に外気よりも負圧になっていますのでそこへレンジフード・換気扇などの負圧がさらに減圧されてきます。
結果的に言うと鉄筋コンクリート造の賃貸マンションに住む場合、この気密性が高いことに注意が必要です。よく聞く話として入居者が長期の出張か何かで長期間不在にし久しぶりに自宅に帰ってみるとクローゼットや玄関収納(空気が淀み易いところ)などにカビが発生し騒動になることがあります…そんなときには24時間換気を止めないでなおかつ給気口の開閉装置を開けたままにしておくと予防できると思います。もし可能であれば誰かに住戸内の空気の入れ替えを定期的に頼むのもよいかも知れません。