ブログ-2020年
ブログ
消えた応接間
2020-04-30
昔は普通に応接間が一般住宅にもありました。昨今の建売住宅・分譲マンションに応接間はありません…これらは床面積が小さくLDK・個室・水回り・玄関など必要所室をつくって行くと必然応接間をつくる余裕がありません。さらに注文住宅でも応接間は殆ど見かけません。応接間が消えたのは核家族化で住宅が小さくなったことやDKでなくより広いLDKを取る傾向が影響しているものと考えられます。
では比較的床面積の大きい注文住宅には応接間が必ずあるのでしょうか。未だに応接間を施主が注文しつくられる場合もありますが年々そのニーズが少なくなってきているようです。来客が特別多いような職種・立場の人の住宅は今でも応接間が必要ですのでそんな場合はニーズとして必ず注文があり存在します。また住宅では死語化しても会社・役所など接客の必要な施設には未だに現存しています。
応接間的要素を含むものに仏間(客間)があります。この部屋は確かに個室ではなく住宅のパブリックな用途として存在しているのである意味では応接間とも言えましょう。また今どこの家にもあるLDKのリビング部分に応接間的要素もあることからすればLDKが応接間を代替しているのかも知れません。DKではなくLDKが主流になってきた頃から応接間が消滅する流れが加速して行ったと推察できます。
住宅は生活文化の場です。今日では昔のような向こう三軒両隣と言うような近所付き合いがなくなり近隣関係が希薄な社会となっています。そんなところからも応接間の必要性が次第に薄くなりつくられなくなってきたのではないでしょうか。一般家庭でははよほど親しい人しか我が家に招かないのでLDKがあればよいのでしょう。すなわち社会生活の変化が応接間の消滅につながったとも考えられます。