ブログ-2019年
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賃貸住宅見晴台 溢れ返った投資賃貸住宅の行方
2019-08-31
アベノミクスを背景に行われてきた不動産投資の過熱がようやく冷めてきたようです。投資不動産の建設ラッシュに急ブレーキがかかってきたようで、都心の雨後の竹の子のような建設の勢いがなくなってきました。事実認識の甘い業者や投資家がしつこくやっているものもあるのでまだ一部でくすぶってはいますが概ね終焉したと考えられます。原因は投資家(主にサラリーマン投資家)に銀行融資が付かぬことと大量空室発生の情報が漏れてきたことでしょう。極めて自然な流れであって納得できます。
直接の引き金はスルガ銀行事件だと思いますが不正融資事件に端を発してその後色々な事件が続き不動産投資に対する銀行融資がかなり難しくなった状態が続いています。銀行も異常超低金利・優良貸出先不足の中でリスクが高いのを承知で苦し紛れに危ない不動産投資にのめり込んでいましたがここまで危険レベルが高くなってくるとさすがに融資に二の足を踏むのは至極当然の行動だと思います。金融庁に言われなくても危ない不動産投資には融資したくないのでしょう…むしろ遅すぎた感がします。
しかし供給過剰をもたらした大量の投資不動産が都会の市場に溢れ返っていますので今後これが大きな社会問題に必ずなってくると思います。市場相場を無視逸脱した高い設定家賃は新築当初から入居に苦戦し値下げを余儀なくされているのがよく聞こえてきます。またこれまでも過熱景気の都度投資不動産が幾度となくつくられてきたものが今も不良ストックとして結構残っています。都会では今回の投資ブームによりこれらのストックに重ねて不良ストックがかなり増えてしまったに違いありません。
だぶついた投資不動産は今後どうなって行くのでしょうか?だぶつきは主に都市域が中心で特に駅近くに発生しています。これらの地域で大量の空室が滞留しています。こんなに多くつくっても需要は限られていますので結果入居者の取り合いになります。必然これらの地域では家賃の下落が起き、都会の高い家賃で儲かるはずの見通しが裏目に出てしまうことになるのです。特に単身者向けの投資絡みの類の賃貸住宅が悲惨な状況になることは避けて通れません。世の中そんなに甘くないと言うことです。