ブログー2022年
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賃貸住宅見晴台 選別される賃貸住宅
2022-08-31
20年ほど前はお粗末なつくりや悪い間取りの賃貸住宅物件で競争力のないものでもとにかく賃貸住宅をつくりさえすれば入居者で埋まった時代でした。当社でも十数年前までは工事中にもかかわらず満室御礼となることがよくありました。その後は完成時に後1~2戸がまだ空いていて1~2ヶ月後に満室になると言う状況が続いています。仲介業者に聞けば当社のこの状況は世間ではまだかなりよい方だと言われます。新築で1年経っても2年経ってもなかなか満室にならぬ物件はごろごろしているそうです。
2018年総務省統計局のデータによれば1988年に394万戸の空き家総数がありましたが2018年には空き家総数が846万戸となりました。30年間に452万戸増えたことになります。空き家の内賃貸用の総戸数(空き家の中の割合)が1988年-234万戸(59.3%)、2018年-431万戸(50.9%)。空き家の建て方別の内訳は一戸建てが317万戸(37.5%)、長屋建てが50万戸(5.9%)、共同住宅型は475万戸(56.2%)となっています。2018年までは共同住宅型の空き家が急増しましたが以降増加幅が縮小しています。
これまでの既存賃貸住宅の空き家が既にかなりの多さです。昔は空き家が今ほど多くなくいい賃貸物件を先に抑えたいと言う入居者心理から完成前に満室になった状況が起きたのです。しかし今は供給過剰になっているにもかかわらず投資目的の賃貸住宅を主に異常な新築供給が未だに止まっていません。部屋探しの入居者はじっくりと物件を選別すればよいのです。工事中に部屋が埋まるどころか完成したのになかなか部屋が満室にならない物件(特に単身者向の投資目的賃貸住宅に多い)が目立ちます。
人口減少下で賃貸住宅物件の異常な多さとなってきた今日では新築賃貸住宅をつくりさえすればとりあえず部屋が埋まると言うのは既に過去の神話となっています…たとえ新築をつくっても部屋が埋まらないかも知れないと言うのが本当のところです。即ち新築物件であれ中古物件であれ入居者がこれなら住んで見たい(居住性・家賃共)と思える優良物件でないと部屋が埋まらなくなった時代と言えるのです。こんな時代に安易な投資目的や賃貸づくりで賃貸住宅経営をするのは無謀と言わざるを得ません。